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神巫女 -カミコ-
2017.04.19 Wednesday | category:インディーゲーム
Nintendo Switchで『神巫女 -カミコ-』が配信されました。今回は、その開発裏話的なものを書ける範囲で書いていきたいと思います。
〓〓〓 プレゼン
2016年某月。所用でフライハイワークスさんと会う機会があり、手ぶらで会うのもアレなので前日にプレゼン用のダミー画像を作成して持って行く事にしました。それがこの画像。
▲方向性としては『フェアルーン2』のグラフィックから黒フチを削除した物。
この時点で『神巫女』というタイトルとSPを使って封印を解くなどの大まかなシステムは考えていました。そして某所の喫茶店で「こんなの描いてみたのですが、どうでしょう?」とプレゼン。見せたその日に開発がほぼ決定するあたり、いつもながらフライハイワークスさんのフットワークの軽さには驚かされます(笑)。
〓〓〓 スタッフ
『神巫女』は開発期間をあまりかけれない事情があったため、いつもは僕がやる仕事のいくつかを外部のクリエイターさんにお願いすることにしました。BGMはパンサウンドのみそかさん(@misoka_panipum)、プレイヤーセレクトのキャラのドット絵はシロスさん(@shin_shiros)、ゲーム内のセリフの監修はイチマルさん(@1o3)。今まで基本2人ぐらいでゲームを作っていたので、僕的には初の大所帯です。
〓〓〓 アーケードライク
前述の通り『神巫女』は開発期間があまりありませんでした。そのため「少ないリソースで短時間で繰り返し遊べるゲーム」というのが現実的な落としどころです。となると、真っ先に浮かぶのがゲームセンターのゲーム。高校のころは学校帰りにスーパーの最上階にあるゲームセンターで『ワルキューレの伝説』や『ダークシール』で遊びまくっていました。そんなこともあり、当時のアーケードゲームの雰囲気が感じられるゲームデザインにしようとステージクリア型のゲームに決定。固定ルートだと「繰り返し遊べる」という部分が弱いので、ある程度自由に動けて探索する楽しみがあるマップに。スコアアタックだと最大スコアの理論値が計算できてしまうのでタイムアタックをメインに。また、タイムアタックだとザコ敵を倒す意味が薄くなるので、ザコ敵を倒してSPをゲットし、そのSPを使ってギミックを作動させるという仕様に。マップを探索し決められた数のターゲットを破壊するとボスと戦えるようになる仕様などは、うっすら『グラナダ』影響かなと。とまあ、このような感じで『神巫女』はアーケードライクなゲームへとなっていきました。
▲『ワルキューレの伝説』『ダークシール』『グラナダ』
〓〓〓 BGM
みそかさんへのBGMの発注は「FM音源+PSGで、それを古さを感じさせない今風の良い音で!」でした。メロディに関してはかなり方向性を絞ってお伝えしたので最初からほぼバッチリな物が上がって来たのですが、FM音源の音色の部分がなかなか決まらなくて大変でした。主なリテイク内容は「良い音過ぎるのでゲーム画面が負けてしまいます」とか「もっとPSG多めで」とか「ゴージャス過ぎるのでシンセパッドを外してください」とか「ドラムがリッチ過ぎるので初期のPCM音源みたいな音で」とか。そんなディレクションをみそかさんが上手く汲み取ってくれて『神巫女』の懐かしくて新しい音のBGMができあがりました。
〓〓〓 プレイヤーセレクト
アーケードゲームと言えば画面にでっかいキャラが並んだプレイヤーセレクト画面が華です。その部分を今回はシロスさんにお願いしました(シロスさんに取り次いでくれた校長(@sn630)ありがとう!)。シロスさんとは以下のような流れで作業を進めて行きました。
(1)
僕が描いたラフデザイン。この時点で巫女じゃないのはご愛嬌。制服+大剣+ツノなのはシルエット的に良い感じになりそうだったので。カラーはマップに馴染まないのが大前提。あと、動いている部分が分かりやすいよう手足を紺色に。
(2)
ラフを元にシロスさんが最初に起こしたドット絵。ずいぶんやわらかい雰囲気に!僕がどう反応するかを伺ってる感がドット絵から垣間見えるのが楽しかったです(笑)。
(3)
シロスさんのドット絵を僕が修正した物。アンチエイリアスを無くし、お腹の露出を軽減。
(4)
再びシロスさん。シロスさんのアイディアで手首やスカートに白ラインでアクセントを追加。いつものシロスさんとは違うタッチのドット絵だったのですが、難なく対応してくるあたりはさすがです。これで方向性が決まったので、残りのウズメとヒノメはサクッと完成。
〓〓〓 セリフ
舞台は(一応)古代日本という設定なので、オープニングとエンディングのセリフはそれっぽい言い回しにしたいなぁと思っていました。ただ、そっち方面の知識があまり無かったので、そういうのに詳しそうな人は・・・と思い当たったのがイチマルさん。時代劇などで使われている言い回しを取り入れたり、セリフの監修以外にも固有名詞のアイディア出しなども協力していただいたりと、『神巫女』っぽさのアップに貢献していただきました。
〓〓〓 プログラム
プログラムは『1-Bit Rogue』を一緒に作ったカンさん(@Kan_Kikuchi)。今回はプログラマ主導の方が早そうな部分はできるだけお任せしようと思い、グラフィックと「だいたいこんな感じで」という短いテキストを渡して自由に組んでもらうことにしました。そしてできた物を見ながら調整していき完成させる、という流れ。とりわけアクション部分などはプログラマさんの感性にお任せした方が早くて良い物ができるなと改めて思いました。この調子で次回作『ピコンティア』もお願いします!
〓〓〓 スペシャルサンクス
なんと言っても『神巫女』を作るきっかけになったのは、はちのすさん(@HACHINOS_)です。以前、京都のイベントではちのすさんの『The Souls of Yore』をプレイさせてもらったときに「こういう表現もあるんだ・・・」と感動しました。その後、はちのすさんがTwitterでリツイートしている海外のドット絵や、運営されているブログの『これから来る!! 超絶クオリティなドット絵見下ろし型アクションゲーム16作』などを見たりして『神巫女』はフチ無しドット絵で行こうと決めました。はちのすさんが居なければ『神巫女』はもっさりした黒フチドット絵ゲームだったかもしれません(笑)。
▲スクショは『The Souls of Yore』の進化版である『SOULLOGUE』
〓〓〓 ダウンロード!
そんなわけで、気になった人は遊んでみてください。
ニンテンドースイッチ ダウンロード専用ソフト
『神巫女 -カミコ-』発売中!