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神巫女 -カミコ-
img000.png

Nintendo Switchで『神巫女 -カミコ-』が配信されました。今回は、その開発裏話的なものを書ける範囲で書いていきたいと思います。


〓〓〓 プレゼン
2016年某月。所用でフライハイワークスさんと会う機会があり、手ぶらで会うのもアレなので前日にプレゼン用のダミー画像を作成して持って行く事にしました。それがこの画像。

img001.png
▲方向性としては『フェアルーン2』のグラフィックから黒フチを削除した物。

この時点で『神巫女』というタイトルとSPを使って封印を解くなどの大まかなシステムは考えていました。そして某所の喫茶店で「こんなの描いてみたのですが、どうでしょう?」とプレゼン。見せたその日に開発がほぼ決定するあたり、いつもながらフライハイワークスさんのフットワークの軽さには驚かされます(笑)。


〓〓〓 スタッフ
『神巫女』は開発期間をあまりかけれない事情があったため、いつもは僕がやる仕事のいくつかを外部のクリエイターさんにお願いすることにしました。BGMはパンサウンドのみそかさん(@misoka_panipum)、プレイヤーセレクトのキャラのドット絵はシロスさん(@shin_shiros)、ゲーム内のセリフの監修はイチマルさん(@1o3)。今まで基本2人ぐらいでゲームを作っていたので、僕的には初の大所帯です。


〓〓〓 アーケードライク
前述の通り『神巫女』は開発期間があまりありませんでした。そのため「少ないリソースで短時間で繰り返し遊べるゲーム」というのが現実的な落としどころです。となると、真っ先に浮かぶのがゲームセンターのゲーム。高校のころは学校帰りにスーパーの最上階にあるゲームセンターで『ワルキューレの伝説』や『ダークシール』で遊びまくっていました。そんなこともあり、当時のアーケードゲームの雰囲気が感じられるゲームデザインにしようとステージクリア型のゲームに決定。固定ルートだと「繰り返し遊べる」という部分が弱いので、ある程度自由に動けて探索する楽しみがあるマップに。スコアアタックだと最大スコアの理論値が計算できてしまうのでタイムアタックをメインに。また、タイムアタックだとザコ敵を倒す意味が薄くなるので、ザコ敵を倒してSPをゲットし、そのSPを使ってギミックを作動させるという仕様に。マップを探索し決められた数のターゲットを破壊するとボスと戦えるようになる仕様などは、うっすら『グラナダ』影響かなと。とまあ、このような感じで『神巫女』はアーケードライクなゲームへとなっていきました。

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▲『ワルキューレの伝説』『ダークシール』『グラナダ』


〓〓〓 BGM
みそかさんへのBGMの発注は「FM音源+PSGで、それを古さを感じさせない今風の良い音で!」でした。メロディに関してはかなり方向性を絞ってお伝えしたので最初からほぼバッチリな物が上がって来たのですが、FM音源の音色の部分がなかなか決まらなくて大変でした。主なリテイク内容は「良い音過ぎるのでゲーム画面が負けてしまいます」とか「もっとPSG多めで」とか「ゴージャス過ぎるのでシンセパッドを外してください」とか「ドラムがリッチ過ぎるので初期のPCM音源みたいな音で」とか。そんなディレクションをみそかさんが上手く汲み取ってくれて『神巫女』の懐かしくて新しい音のBGMができあがりました。


〓〓〓 プレイヤーセレクト
アーケードゲームと言えば画面にでっかいキャラが並んだプレイヤーセレクト画面が華です。その部分を今回はシロスさんにお願いしました(シロスさんに取り次いでくれた校長(@sn630)ありがとう!)。シロスさんとは以下のような流れで作業を進めて行きました。

img003.png

(1)
僕が描いたラフデザイン。この時点で巫女じゃないのはご愛嬌。制服+大剣+ツノなのはシルエット的に良い感じになりそうだったので。カラーはマップに馴染まないのが大前提。あと、動いている部分が分かりやすいよう手足を紺色に。

(2)
ラフを元にシロスさんが最初に起こしたドット絵。ずいぶんやわらかい雰囲気に!僕がどう反応するかを伺ってる感がドット絵から垣間見えるのが楽しかったです(笑)。

(3)
シロスさんのドット絵を僕が修正した物。アンチエイリアスを無くし、お腹の露出を軽減。

(4)
再びシロスさん。シロスさんのアイディアで手首やスカートに白ラインでアクセントを追加。いつものシロスさんとは違うタッチのドット絵だったのですが、難なく対応してくるあたりはさすがです。これで方向性が決まったので、残りのウズメとヒノメはサクッと完成。


〓〓〓 セリフ
舞台は(一応)古代日本という設定なので、オープニングとエンディングのセリフはそれっぽい言い回しにしたいなぁと思っていました。ただ、そっち方面の知識があまり無かったので、そういうのに詳しそうな人は・・・と思い当たったのがイチマルさん。時代劇などで使われている言い回しを取り入れたり、セリフの監修以外にも固有名詞のアイディア出しなども協力していただいたりと、『神巫女』っぽさのアップに貢献していただきました。


〓〓〓 プログラム
プログラムは『1-Bit Rogue』を一緒に作ったカンさん(@Kan_Kikuchi)。今回はプログラマ主導の方が早そうな部分はできるだけお任せしようと思い、グラフィックと「だいたいこんな感じで」という短いテキストを渡して自由に組んでもらうことにしました。そしてできた物を見ながら調整していき完成させる、という流れ。とりわけアクション部分などはプログラマさんの感性にお任せした方が早くて良い物ができるなと改めて思いました。この調子で次回作『ピコンティア』もお願いします!


〓〓〓 スペシャルサンクス
なんと言っても『神巫女』を作るきっかけになったのは、はちのすさん(@HACHINOS_)です。以前、京都のイベントではちのすさんの『The Souls of Yore』をプレイさせてもらったときに「こういう表現もあるんだ・・・」と感動しました。その後、はちのすさんがTwitterでリツイートしている海外のドット絵や、運営されているブログの『これから来る!! 超絶クオリティなドット絵見下ろし型アクションゲーム16作』などを見たりして『神巫女』はフチ無しドット絵で行こうと決めました。はちのすさんが居なければ『神巫女』はもっさりした黒フチドット絵ゲームだったかもしれません(笑)。

img004.png
▲スクショは『The Souls of Yore』の進化版である『SOULLOGUE


〓〓〓 ダウンロード!
そんなわけで、気になった人は遊んでみてください。

ニンテンドースイッチ ダウンロード専用ソフト
『神巫女 -カミコ-』発売中!

| ユウラボ | 11:26 | trackbacks(0) |
明けましておめでとうございます!


今年もスキップモアのゲームをよろしくお願いいたします!
| ユウラボ | 11:10 | trackbacks(0) |
Thank you for playing!


2016年にリリースしたゲームは昨年と同じく4本です。



ピクトアクアリウム
ドット絵の魚を育てるWEBゲームです。昔作ったゲームをリメイクしたものです。



1ビットローグ
白黒1ビットのスマホ用ローグライクゲームです。昔作ったゲームのリメイクです。



ドランシア・サーガ
スマホから3DSへの移植で、監修をしました。



フェアルーン2
フェアルーンの続編で、3DS専用に作りました。


なんかリメイクや移植や続編で、完全な新規タイトルがなかったですね。
来年は新規タイトルが目白押しになるよう頑張ります!

それでは、来年もよろしくお願いいたします。
| ユウラボ | 16:27 | trackbacks(0) |
1ビットローグ(1-Bit Rogue) その3
年内にブログを完結させておかなきゃということで、最後はゲームデザインの部分を書こうと思います。


■実はローグライクは苦手!
ローグライクというシステムは好きなのですが、いざ自分で遊ぶとなると苦手なジャンルだったります。そういうこともあって『1ビットローグ』では、僕が苦手な要素をざっくり排除しました。あと、できるだけ多くの人にエンディングまで辿り着いてほしかったので、難易度もわりと低くめに調整してあります。
また、多くのローグライクは8方向に移動できるのですが『1ビットローグ』では4方向のみにしました。これはダンジョン自体が通路のみで構成されているので8方向の必要性がなかったのと、僕が8方向移動が苦手だったからです。あとは・・・『ドラゴンクリスタル ツラニの迷宮』の影響も多少あると思います。


■アイテムは武器と薬だけ!
ローグライクといえば、いろんなアイテムを持ち歩き、必要な時に使ってピンチを切り抜けるのが醍醐味の1つだと思うのですが『1ビットローグ』ではアイテムは入手したら即刻装備&使用するという仕様になっています。これには以下のような理由があります。
・スマホなのでウィンドウを開いてアイテムを選択するなどの複雑な操作をできるだけ排除する。
・重要アイテムを選択するという要素を短い間隔で提示させることでプレイがだれないようにする。
・宝箱の中身を武器・薬・お金の3種類にすることで、結果を分かりやすくする。
腰を据えてじっくり遊ぶゲームとは違い、気軽に遊べるスマホゲームということで、このような割り切った仕様にしました。




■プレイヤーに見せる数値は1ケタに!
今回レベルデザインはカンさん(本作のプログラマ)にほぼお任せしました。今まではそこも僕1人でやっていたのですが、カンさんは自分でローグライクとかを作っていたりしたので、その方が早いかなと思いまして。その時、僕から出したお題は「戦闘などでやりとりする数値はできるだけ1ケタにして、プレイヤーが結果を暗算できるように」でした。最終的にはカンさんの作ったデータに僕がちょっとだけメリハリ(わざとバランスを崩したりとか)を加えた物を実装しています。レベルデザインはカンさんのおかげで、かなり楽をさせてもらいました。


■ラスボスはギリギリ弱く!
当初ラスボスはけっこうギリギリ勝てるかどうか・・・というバランスでした。でも、せっかくラスボスまで来たのに勝てなかったら面白くないので、ギリギリまで弱く調整し、ボーナスゲームぐらいのノリで倒せるようにしました。(それでも運に左右されますが、そこはローグライクってことで・・・。)


■アップルにフィーチャーされました!
アップルのフィーチャー枠には、よくレトロなドット絵のゲームが混ざっているので、担当者にレトロゲーム好きがいるに違いないと思い、あわよくばと、いたのくまんぼうさんのブログを参考に動画も用意し登録しました(動画を用登録しておくとフィーチャー後に動画枠でもフィーチャーされる可能性があるそうです)。
その結果、見事おすすめ新着枠と動画枠にフィーチャーされました。ちなみにDLはほぼ海外です。あと、Andrid版が伸び悩んでいるので、Androidユーザーさん、よろしくお願いいたします。




■作者にビールをおごる!
作者にビールをおごっていただけると3ビットカラーモードが追加されます。あと、アプデで「広告削除」もされるようになりました。僕はあまりお酒が飲めないのでおごっていただいたらジンジャーエールを飲みたいと思います。
ちなみに『1ビットローグ』は3ビット版と1ビット版のテクスチャーは同じで、1ビット版は3ビット版のテクスチャーを白黒に変換して表示させています。そのため黒の部分は共通なので、床などは黒のままなんです。
※「広告削除」はコンティニューの動画広告以外の広告が削除されます。




■今後は?
来年はSteamとコンシューマがメインになると思います。アプリを作るとしたらそこからのスピンオフ的な物がメインになるかもしれません。アプリとして作りたいオリジナル物もいくつかあるんですけどね・・・。
そんなわけで、来年もよろしくお願いいたします!




〈おわり〉


『1ビットローグ』のダウンロードはこちら!



無料なので気になる人は遊んでみてください。
| ユウラボ | 14:49 | trackbacks(0) |
1ビットローグ(1-Bit Rogue) その2
1ビットローグのグラフィックはその名の通り1ビット風です。
今回は、その1ビット風のグラフィックをどうやって作っていったのかを書こうと思います。


■白黒だから簡単・・・じゃなかった!
前回も掲載したこの下の画像。



スケルトン、スライム、勇者、ドラモス(←ウチのゲームによく登場する単眼モンスター)といった、いつもの面々です。特に問題無く1ビット化ができたように見えますが、ドラモスの目がちょっと違います。今までのカラー版ドラモスはまんまる目だったのですが、1ビットだと「白目」が上手く表現できませんでした。そこで、白目の部分が黒くても目に見えるデザインはと考えた結果、現在のような半円の目にすることに。当初はフェアルーンで作ったモンスターを白黒に変えるだけですむから簡単だと思っていたのに・・・。あと、キノコのモンスターは単眼の白目とカサの斑点が表現できなかったのでこちらもデザインを変更しました。



※上の図を見ての通り、実際は白+黒+透過の3色なので1ビットではありません。キャラに黒フチを付けて周囲を透過にしたのはキャラ同士が重なった時に視認性が上がるようにという理由からです。


■使い回せないなら新規で描こう!
フェアルーンのモンスターをそのまま白黒にしただけでは使えないということが分かったので、それならばと新規で全部描いていくことにしました。ドット絵を描くこと自体は楽しいので。で、一応ローグを名乗っている以上、ある程度はオリジナルのローグに沿ったモンスターを出した方がいいと思い、コウモリやスネーク、オーガやヴァンパイアなど割とベタなモンスターを描いていくことにしました。ゲームシステムがオリジナルとだいぶ違うので、せめてモンスターの種類ぐらいはオリジナルに寄せておこうかなと。




■歩いているように見えない!
白黒で描いて分かった事は、白黒だとキャラを左右反転するだけでは歩いているように見えない・・・でした。理屈は単純で、白黒だと色の移動がほとんど無いためカラーのドット絵と比べてアニメーション時の変化が少ないからです。カラーだとシルエットに変化があまりなくても肌色のドットが動いていたらなんとなく手や足が動いているように見えるのですが・・・。解決策として今回はシルエットを大きく動かすことにしました。ただ、白黒でシルエットを大きく動かすと、静止画の時のキャラのディテールが分かりにくくなってしまうのですが、そこは動き優先ということで割り切りました。逆に動いているとディテールが見えてくるということがあったりして、けっこう楽しかったです。


▲左のような感じで作っていた物を右のように修正。



〈つづく〉


『1ビットローグ』のダウンロードはこちら!



無料です!
| ユウラボ | 17:14 | trackbacks(0) |
1ビットローグ(1-Bit Rogue) その1
約1年ぶりにスマホのアプリを作りました!
と言いつつも、既に1ヶ月前にリリースされているんですけどね・・・。
『1ビットローグ』という白黒でレトロなローグライクゲームです!



久々のアプリということで、数回にわけていろいろ書こうと思います。


■ゲームを作ろう!
今年に入ってちょっといろいろあり、今後どうしようかなーと考える機会があったのですが、僕としてはやはり「ゲームを作り続けよう」と。10年間フリーランスでゲームを作ってきて、事実としていま自分を助けてくれているのは『フェアルーン』や『ハードル地獄』、『ピクトアクアリウム』などのむかし自分が作ったゲームですから。


■1ビットカラーにしよう!
白と黒だけで「ここまでできるのか!」と思ったのはMSXの『バットマン』でした。正確には、たまたま印象に残っていたステージのグラフィックが白と黒だったというだけで、実際はいろんな色のステージがあったのですが、とにかく当時雑誌で見た白と黒だけで描かれたクォータービューのグラフィックはインパクト大でした。


▲MSXのバットマン

そんなことを思い出しつつ、趣味で1ビットカラーのドット絵を描いていたときに、これをこのままゲームにしたら良い感じになるんじゃないかと思い『1ビットローグ』の企画をまとめることにしました。


▲趣味で描いてみた1ビットドット絵

あと、ちょうどその頃、僕のTwitterでやたらArduboyのゲーム画面が流れてきていたのも多少影響があると思います。


■プログラマさんを探そう!
まずこのプロジェクトの大前提として「新しいプログラマさんと組む」というのがありました。そして、今後の展開を考えるとUnityで作っておいた方がいいだろうというのがあったのですが、Unityが使えてなおかつローグライクの開発経験があるそんな都合のいいプログラマさんなんてなかなか・・・いた!!
という訳で、5月の始め頃にKanさんに「一緒にアプリを作りませんか?」と打診。速攻でOKをいただけたので、具体的に開発がスタートすることになりました。


■Flashゲーム『迷宮勇者』!
『1ビットローグ』のオリジナルは僕が2009年に作った『迷宮勇者』というFlashゲームです。この時点でスイッチを押して階段を出現させる流れや、耐久度がある武器などの基本的な要素は入っていたので、KanさんにはFlashゲームを見てもらい、それをスマホに移植するという感じで進めてもらいました。ちなみにこの『迷宮勇者』はガラケーでもリメイクしているので、今回で3回目のリメイクだったりします。


▲PC版。地下10階でクリア。


▲ガラケー版。地下100階以上あり。戦闘はエンカウント方式。


▲スマホ版。地下50階×職業5種。最新リメイクがなぜか一番レトロ。


〈つづく〉


『1ビットローグ』のダウンロードはこちら!



先日ver.1.3になり、一通りバグやらなんやらが無くなった感じです。気になる人は遊んでみてください。
| ユウラボ | 15:31 | trackbacks(0) |
フェアルーン2の作り方 #10



〓〓〓 東京ゲームショウ2015

去年の話。

「東京ゲームショウ2015に『フェアルーン2』の体験版を出しませんか?」とフライハイワークスさんから打診が合ったのが2015年の8月20日ごろ。ゲームショウが9月17日からだったので『体験版』の開発期間は1ヶ月弱。今までうららワークスさんの「とりあえず全体を通して歩けるようにしてから、イベントを実装していく」という方針で作っていたのを、「スタート地点からシナリオに沿ってイベントを作り込んでいき、問題点を見つけていく」という方針に変更してもらう良い機会ということもあって、二つ返事でOK。どのみち、この1ヶ月で体験版が作れないようであれば、そもそも進捗自体がヤバイということなのでここはもう作るしかありません。

ちなみに体験版を作り始める前までは10月にアルファ版、11月にマスター提出という予定でした。



〓〓〓 作り込む

8月末の時点では前述通り「とりあえず〜」状態で、マップがほぼ全部入っていて、特定の座標に行けばアイテムは入手できるけど仕掛けやイベントは実装されてないという状態でした。なので、ここからは僕が仕掛けやイベントのアニメーションを作り込んでいき、うららワークスさんに渡して実装してもらうという作業をしていく流れに。イベントは使い回しができる物もあるので、1つ作れば他のイベントも自動的に完成するだろうということもあり、ここから一気に開発が進むはずでした。

えーと、「はずでした」というのは、実際に1つのイベントを実装すると、他のイベントがバグるという状況が発生し、イベントを実装するたびに全イベントをデバッグ、そこで見つかったバグを修正すると、さらに他のところでバグが発生・・・という、1歩進んで2歩下がるという状態がしばらく続いたためです。ただ、体験版の実装範囲は「ミドリの妖精を助けるまで」だったので、徐々にバグは減っていき、ゲームショウの3日前には何とか遊べるレベルになりました。





〓〓〓 予定が未定に

東京ゲームショウの後からは、体験版に引き続き、シナリオに沿って作り込んでいくやりかたで進めてもらうことにしました。これだと「実装されているシナリオ=完成度」になるので僕にも進捗が把握しやすくなり、また、技術的にできない処理などの代替案も早いうちに出す事ができるようになりました。

この方法で、とりあえず「ミドリの草原」の実装を進めてもらったのですが、実装が終わったのが12月。ここで改めてスケジュールを計算しなおすと、50画面分の実装に約2ヶ月かかったことになり、残りの実装にかかる期間をざっくり計算してみると早くて7ヶ月。ラスボス戦も含めると僕の中では2016年の6月までかかるのではという結果に。しかし、うららワークスさんの話だと2016年の3月ぐらいには何とかなる・・・というか何とかしたい、みたいな感じだったので、ひとまずそこを目標に進めることにしました。



〓〓〓 待ちのターン

10月以降、ROMのチェックはだいたい10日に1回で、チェックしてフィードバックを返したらまた10日ぐらい待つ感じのサイクルでした。僕の作業は年内リリースの予定で進めていたので、すでにエンディング以外の素材はほぼ完成しており、特に急ぎでやることは無い状態でした。でも、さすがにこの状態で来年の3月まで待つのはアレなので、何かやることはないかなと考え「そうだ!マップチップを作り直そう!」という結論に。

先にエンディングを作ってもよかったのですが、今エンディングを作るより、来年の3月にエンディングを作った方がクオリティが高い物ができるのは明白だったので、この時点でエンディングの作業は除外。というわけで、全マップチップを見直し、手を加えていく作業をやっていくことにしました。

1日12時間ぐらい作業をすると、意外とすぐに終わるもんですね。

そんなわけで、次に何か無いかなと思い、いろいろ見直したところ今度は「ラスボスを作り直そう!」という結論に。

ラスボスの実装は早くても来年の2月ぐらいになるだろうから、この時点で全く新規のラスボスに差し替えてもプログラム的には問題は無いだろうということで、既に作ってあったラスボスを破棄し、全く別物に作り直すことにしました。

ついでにラスボスのBGMも倍の長さに延ばし、おまけにラスボス戦の主人公のグラフィックも全部描き直したりしました。

ちなみに、これがボツになったラスボスです。この本体プラス光の羽根などのエフェクトが付いていました。シューティングさせる気満々ですね。



その他、全BGMの音質を調整したり、新規BGMを追加したり、UIの色味を調整したりと、やれることをひたすらやっていってので、リリースを楽しみにされていたユーザーのみなさんには本当に申し訳ないと思いつつ、この「待ちのターン」のおかげでかなりクオリティの底上げが出来たのは間違いありません。



〓〓〓 まだ待ちのターン

2016年3月、とりあえず一通りクオリティアップができたかなという状態になりました。進捗は「アオの神殿」を実装中といったところです。この時「やっぱり6月ぐらいになりそうだな、もしかしたら8月にずれこむかも・・・」と、おぼろげに思っていました。なので、宣材用に主人公のイラストを描いたり、新規のゲームの企画をまとめたりして『フェアルーン2』の後の予定を立てておくことにしました。



で、5月ぐらいにうららワークスさんから衝撃的な事実を打ち明けられてヒャーッ!ってなるのですが・・・(笑)。



〓〓〓 そして完成!

なんだかんだでバタバタして、どうにか2016年7月13日にリリースできました!
もう、最後はバタバタしすぎててblogには書けません!!
以上!!!

9月現在、実はまだ『フェアルーン2』の作業は続いていたりします。海外版とかもあるので、もろもろの作業が終わるのは10月ぐらいでしょうか。ここまで含めると2年近くのプロジェクトになってしまいました。さすがに時間をかけすぎだなと反省しつつも、この環境でどうにかベストな物に仕上がったと思っています。

そんなわけで、フライハイワークスさん、うららワークスさん、eショップで購入していただいたユーザーの皆様、本当にありがとうございました!気になってるけどまだ買ってないという方は・・・前向きに検討していただけると嬉しいです!

本当はもっと書きたいことがあったのですが、そろそろ違うゲームのことも書きたいので『フェアルーン2の作り方』はこの辺でひとまず終了・・・というこで!



(終わり)



ニンテンドー3DSダウンロード専用ソフト
『フェアルーン2』発売中!

| ユウラボ | 20:09 | trackbacks(0) |
フェアルーン2の作り方 #9



〓〓〓 ランドマークを設置する

Wikipediaによるとランドマークとは以下のような物らしいです。

================
陸標、灯台、鉄塔のような土地における方向感覚の目印になる建物、国、地域を象徴するシンボル的なモニュメント、建物、空間を意味する。また、広い地域の中で目印となる特徴的な自然物、建物や事象も含まれる。
================

『1』でもランドマークは意識して設置していたのですが、『2』ではマップが広くなったため『1』以上に意識して設置しました。明らかにランドマークな物からそれとなくランドマーク的な物まで、いろいろ設置してあるのでその一部を紹介したいと思います。



■門系

見つけるとくぐりたくなる門。くぐらせることでプレイヤーを誘導しています。


■通路系

同じ下方向に続く道でも、右側を「橋」にすることで、どっちに行ったか覚えやすくしています。


■灯台系

見落としがちな通路などには、目立つオブジェクトを設置してプレイヤーが気付くようにしています。


■パンくず系

その先にある物と関連する物をちょっとずつ見せて、辿っていくと目的地に着く感じのやつです。



この他にも地形自体が特徴的でランドマークになっている場合や、見たまんま大きめのオブジェクトがドンッと設置されていてランドマークになっているところなどもあります。

これらが全部上手く機能しているかどうかは別として、ランドマークは設置する事でユーザーを誘導しつつ画面がにぎやかになるという一石二鳥な手法です。ただし工数は増えます。



〓〓〓 拡大ドット絵で奇麗なドット絵を描く方法

ドット絵についての記事で書き忘れていたことが1つありました。『フェアルーン』のように色数も少なく、しかもドットを拡大して表示するタイプの場合、どうしてもドットのカクカクが目についてしまいます。では、『フェアルーン』はどうやってその辺を回避しているかというと、実は「ドットが得意な絵」を多く使う事でドットのカクカク自体をデザインとして取り入れています。



■直線・直角を使う

『2』のマップチップを見ていただくと分かると思いますが、直線と直角を多用しています。ドット絵は小さい四角の集まりなので、当たり前ですが曲線よりも直線と直角の組み合わせの方が奇麗に描くことができます。なので、地面の模様や壁の文字、建築物などはほとんど直線で構成されています。





■ドット絵 in ドット絵

例えば『緑の草原』の花。四角いですよね?



ドット絵が得意な絵の中にもう1つ矩形というのがあります。改めて言うのもあれですが、ドット絵は四角を描くのがすごく得意です。16x16ドットの中、少ない色数で丸い花を描こうとすると、曲線を表現するためにある程度の大きさが必要となりますが、割り切って2倍に拡大した矩形で構成してしまえば意外とコンパクトに収まります。

また、地面の模様や崖などを見てもらうと気が付くかもしれませんが、そこにも2倍に拡大した矩形が多用されています。16x16ドットのマップチップに8x8ドットのグラフィックを入れ込んでいる感じ、まさに「ドット絵 in ドット絵」です。



レトロテイストのドット絵の場合、低解像度のグラフィック内にさらに低解像度のグラフィックを混ぜても、不思議とあまり気になりません。ただ、これをやるには全体的にディテールを描き込まず、最初から直線・直角を多用した絵作りをしておかないと「ドット絵 in ドット絵」の部分が浮いてしまう場合があります。



マップやドット絵に関してはだいたい書けたと思います。また何か思い出したら書くかもしれませんが、とりあえず次回は丁度1年前の東京ゲームショウ2015に出展した『2』の体験版ROMのバタバタについて書こうと思っています。



(続く)



ニンテンドー3DSダウンロード専用ソフト
『フェアルーン2』発売中!

| ユウラボ | 16:27 | trackbacks(0) |
フェアルーン2の作り方 #8



〓〓〓 何でもアリにする

『フェアルーン2』はレトロテイストと言っておきながらグラデや加算、アルファブレンド、拡大縮小などをやっています。もし、これらの処理をファミコン縛りっぽく見えるでゲームの中でいきなり使ったりすると、多くの人が「これ、このゲームに合ってないんじゃない?」思うかもしれません。では、これらの処理を使っても違和感が無いようにするためにはどうしたらいいのか?



スタート直後から常に画面に差し込む斜めの日差し!

もう最初から「このゲームはレトロテイストだけど何でもアリだよ!」と主張しておくことで、何でもアリにしています。こんな感じで常に画面に表示されている日差しに比べれば、マップ上のグラデや加算なんて微々たるものです・・・よね?



〓〓〓 混在するスケール

『フェアルーン』のマップ上にあるオブジェクトのスケールはバラバラです。特に木は小さくて、他のオブジェクトに合わせるのなら現状の4倍のスケールで描いておかないといけません。では、なぜこうなってしまったのかというと、実は最初に作ったFlash版の画面が小さく、大量に表示される木を大きく描くと画面を圧迫してしまうため、記号的に16x16ドットで描いた物がそのまま受け継がれているという、わりと単純な理由です。

Flash版『フェアルーン』





〓〓〓 地上はダンジョン

『2』のそれぞれの世界の地上マップですが、地上と言っておきながら構造はダンジョンのようになっています。これは、個人的にダンジョンは好きだけど洞窟や建物内を長時間うろうろするのはあまり好きではないため「じゃあ、ダンジョンのような構造の地上にしよう!」というコンセプトで作ったからです。そのため、歩ける所を抜き出してみると、地上なのにダンジョンのような複雑な形になっています。



逆に、実際のダンジョンである地下は、そんなに複雑にはなっていません。



開放的な地上をダンジョン化し閉鎖的な地下をあまり複雑にしないことで、ゲームとして窮屈な印象にならないようにしています。



(続く)



ニンテンドー3DSダウンロード専用ソフト
『フェアルーン2』発売中!

| ユウラボ | 18:03 | trackbacks(0) |
フェアルーン2の作り方 #7



〓〓〓 マップチップのヒミツ

マップチップというのはマップを構成する最小単位で、『フェアルーン2』では16x16ドットで描かれています。




〓〓〓 オブジェクトは黒でフチ取る

3DSの残像対策で黒フチが使えなかったため『2』ではオブジェクトの色を濃くした物を使っていますが、便宜上ここでは「黒フチ=濃い色」と思って読んで下さい。

『2』では下図のようにほとんどのオブジェクトに黒フチが付いています。これは「当たり判定がある」というのを視覚的に分かるようにするためで、通り抜けられないオブジェクトは全て地面から生えている感じ(地面に接している辺は黒フチを付けない)で黒フチが付いています。



逆に「通り抜けられる木」は地面に接していないので下図のように地面から切り離し、浮いてる感じになっています。



しかし、上記のルールで黒フチを付けていると作りにくいオブジェクトがあります。下の図1のように横長のオブジェクトがあるのですが、これの縦バージョンは図2のようになり、柱と同じ背面を通り抜けられるような輪郭になってしまいます。そんな訳でこの縦バージョンのオブジェクトはボツになりました。





〓〓〓 できるだけ描きこまない

『フェアルーン』のマップチップはディテールを描き込まないようにしています。これは僕の好みというのもあるのですが、作業工数を減らすという意味も多分に有ります。

では、緑1色だけの草原のマップチップにディティールを描き込まず、どうやって「これは草原です」という情報を与えるかというと、下図のように緑1色の平面にパラパラと草や花のマップチップを置いてあげます。



すると、この緑1色のマップチップは「見た目は緑1色だけど芝生みたいな物」という情報を持ったマップチップになります。

水も同じで、青1色のマップチップにキラキラ光るマップチップを2つ混ぜるだけで「これは水です」という情報を持ったマップチップになります。



そんな感じで『フェアルーン』のマップチップは、作業工数を減らしつつプレイヤーの想像で情報を補ってもらうような作りになっています。



マップ&マップチップに関してはまだいろいろあるので、次回もマップの話になります。



(続く)



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『フェアルーン2』発売中!

| ユウラボ | 16:58 | trackbacks(0) |

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